About再生医療PRP外来について(自費診療)
血液の中には「血小板」とよばれる血液を固まらせる細胞があります。怪我をした時の傷の修復にはこの血小板が重要な役割を果たします。なぜなら、血小板には炎症を抑えたり、組織を修復したりする成長因子とよばれるタンパク質が多く含まれているからです。
PRPとは「Platelet
Rich
Plasma」の略語で、日本語で「多血小板血漿(けっしょう)」といいます。患者さんから採取した血液を、高速回転で分離する装置にかけることで、血小板を多く含む血漿を作ることができます。このPRPを患部に注射することにより、痛みの緩和や早期治癒の効果が期待されます。PRP療法は変形性関節症に幅広く行われており、近年、慢性腰痛に効果があるという報告がされています。
当院はPRP療法を受けられる医療機関として下記サイトに掲載されています
病院検索|骨と関節と筋肉の再生医療当院での適応となる疾患
- 3ヶ月以上継続する腰痛(慢性腰痛症)
- 変形性膝関節症・変形性股関節症・膝半月板損傷・肩腱板損傷など関節内の疾患
- 抗凝固薬を使用中の方、血小板減少症等出血性素因のある方、慢性腎不全・肝硬変・重篤な感染を有している方等は治療を受けていただくことができません。
PRP療法の流れ
- 予約の上、外来を受診してください。
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レントゲン検査、MRI検査
事前にレントゲン検査、MRI検査等を行い、病態を正確に診断します。
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〈治療当日〉採血
約15mlの血液を採取します。
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〈治療当日〉遠心分離
遠心分離機と専用のシリンジを使用しPRPを作製します。約10分間かかります。
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〈治療当日〉注射
患部に正確にPRPを注射します。慢性腰痛に対しては注射部位を正確に定めるため、透視下に行います。
注射後は約10分間安静にして、体調に変化がなければすぐに帰宅できます。
副反応
患者さんご自身の血液を用いるため、アレルギー反応や感染のリスクが少ない安全な治療です。PRP注射後~数日間、治癒過程における炎症反応のため痛みや腫れが生じることがあります。
費用
PRP療法は保険診療として治療ができず、自由診療となります。腰痛治療は原則1回行います。ひざ関節内の治療は原則的に約4週間の間隔をあけて3回行いますが、病状、部位などにより変更します。
部位 | 費用(税込) | |
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関節(肩・股・ひざ) | 片側 | 55,000円 |
左右両側 | 99,000円 | |
腰痛 | 110,000円 |
研究
PRP療法は幅広い疾患の治療に使用されておりますが、その効果やメカニズムはまだ解明されていないことも多くあります。そのため当院では、同意の上、個人情報が特定されないように注意しながら、データを解析し、学会への発表や、学会誌の報告に使用させていただくことがございます。